薬師寺も幾つかの札所に属しておりますので、ご案内いたします。
手水舎の作法
(お参りの前に手と口を清めます)
①右手で柄杓(ひしゃく)を持って、龍の口から水をたっぷり(一回の水で全てを行う為)汲み、最初に左手を清めます。
②次に柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
③再び右手に柄杓を持ち替えて、左手に水を受けて口を漱ぎ清めます。(柄杓に直接口をつけないで下さい)
④改めて口を清めた左手を清めます。
⑤柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を清めて、柄杓を元の位置に静かに戻します。
御朱印のこと
御朱印とは寺院に写経を納めた証として授与されていたものです。現今では参詣の証として授与されるようになりました。薬師寺では本堂・薬師堂に各々のご本尊さまのご真言を掲げていますので、参詣の折には何回でも結構ですので声を出してお唱え下さい。
(注)御朱印の授与について、土・日曜日・祝日等の法事や施餓鬼会やお盆等の行事の執行時には即時対応が出来ないこともあります。
何卒ご理解ご協力をお願いいたします。
荒綾(こうりょう)八十八ヶ所 第十九番
明治期に創設された札所で、山門の門前、道路に面して高さ二尺二寸程の石の道標があります。
正面には
荒 伊藤谷
八十八ヶ所第十九番 薬師寺
綾 是ヨリ普賢寺養福寺へ 九丁
当寺が所蔵する『荒綾八十八ヶ所勤法集』(昭和十年三月十三日発行)と『荒綾八十八ヶ所弘法大師參詣案内記』(昭和七年一月改正)に、荒綾八十八ヶ所の概略が記されております。ただ巡拝するだけではなく、「送大師(弘法大師像と一緒に巡拝する)」としても行っていたようです。 現在でも僅かではありますが、荒綾八十八ヶ所の御朱印を求められる方がお参りに来られます。
関東九十一薬師 第十四番
異質な生い立ちの札所です。『関東九十一お薬師霊場めぐり』(平成二年十二月十五日発行)なる巡礼ガイドブックを刊行した仏教文化振興会が、この本を出版する為に主導して札所寺院を選定して創設したようです。出版社が営利目的の為に創設された札所ではありますが、心や身体を病んだ方を家族に持たれる方が、またそのご本人が、お薬師さまの御力に縋るように熱心にお参りされる姿をお見かけすると、創設の理由などどうでも良いのではと思います。
荒川辺(あらかわべり)八十八ヶ所 第五十二番
東都歳時記(天保九年刊行)に記されていることから、文化年間以降の札所巡りの流行の中で創設されたようです。当寺には石碑等の史跡は何も残っていません。
荒川附二十一ヶ所 第十九番
山門の右前、道路に面して梵字に弘法大師と刻まれた高さ四尺八寸の石柱があります。その正面に荒綾八十八ヶ所と並んで刻まれていますが詳細は不明です。